〜 商工会改革を提案し新時代の商工会を開く 〜

商工会改造プロジェクトは、長野県宮田村商工会に勤務していた元経営指導員 湯沢健二が これからの商工会のあるべき姿について意見発表を行い、全国の心有る同士諸君と議論する超前向きなページです
支援体制改造論
単独組織体制を貫く
祇園祭での阿波踊り
祇園祭での阿波踊り
 私は、広域連携や合併に反対しているわけではありません。
しかし、個々の企業支援の場では支援スタッフと企業経営者の相互理解が重要です。遠方の見知らぬ人が訪ねてきて、「相談があったらどうぞ」「このお店は品揃えがいけませんね」「決算書を見せてください」などと言えますか?日頃の付き合いがあってこそ、腹を割った話を聞けるし、「お前の言うことなら聞いてみよう」ということにもなるのです。
また、地域振興策も横並びの事業ではそれぞれの地域の特徴を生かすことができません。また、宮田村商工会が実施している先進的な諸事業は、商工会の広域合併後は継続不可能となるでしょう。
  広域的な組織がよいか、地域的な組織がよいかは、どちらが日常的に必要とされているかで決めるべきです。今は、個々の企業に対する具体的できめ細かな支援が求められているし、各地域での思い切った活性化策が望まれています。広域的な必要性については、その都度近隣商工会と連携をとることで要請を満たすことができます。

次々に扉は閉ざされていく
中心商店街
中心商店街
 商工会の合併に関する私の考え方は、それを決めるのは行政や連合会ではなく単会であり、それを構成する会員とそれを支える地域であるということが根本にあります。そして決断すべきときに合併するしかない弱い商工会であったら、選択の余地がないのです。
 合併するか、広域連携の道を選ぶか、あるいは単独で行くか、という前に、それぞれの商工会が単独でもやっていけるだけの強い基盤を持つことが必要です。互いに合併するしかない弱い商工会が他者を頼る気持ちのままで一緒になっても、ろくなことにはなりません。逆に、単独でもいける商工会どうしが連携するなら、1+1が3にも4にもなることでしょう。
収益事業をおこすことによって自ら進むという強い意志を表明し、人件費や電話代などの経常経費について補助金に頼らない商工会をつくりあげ、他者に影響されず自らの道を選択するのです。けっして合併しないことがえらいといっている訳ではないのです。
 タイトルの「次々に扉は閉ざされていく」は、平成12年に私が役員や会員に向けて商工会を取り巻く環境についてお話したときに使った言葉です。「今はさまざまな商工会のあるべき姿が想定できるし、それぞれの商工会が自分たちの思う道を進むことができます。しかし、何もしないで手をこまねいていたら、知らないうちに目の前にあるたくさんの扉が次々に閉められ、最後には1つの扉しか開いていないことになります。その扉は合併へと向かう道です。」というものでした。
 あれから4年たち、私の見通しが正しかったことが証明されました。長野県は、「1行政1商工団体を原則とする」、「小規模事業者300人以下の商工会は合併か広域連携をしなければ補助金を半分にする、しかし広域連携か合併をすれば一定の配慮をするとして、アメとムチで、合併・広域連携へと誘導しています。
 今ならまだ間に合うかもしれません。主体的に行動し、自ら入る扉を選ぼうではありませんか。

パートの戦力化と局長・指導員の管理職化
事務室風景
事務室風景
 補助金が減少すれば人件費も絞らざるを得ません。しかし、人数を減らすと、いくら優秀な人材が揃っていても多くの事業をこなすのには無理があります。そこで、パートの戦力化が必要です。人数を減らさず人件費を絞って、大勢の知恵と汗で商工会を支えるという考え方です。
 宮田村商工会は、財政的にゆとりのあるうちにパートを入れ、収益事業でも大勢のスタッフを雇用してきました。一人では解決できないことも、大勢の知恵を集めれば道は開けるものです。
 また、パートを有効に使うには上に立つ者が強力なリーダーシップをとらないといけません。局長・指導員の中にはこの面で不勉強な方もおられます。今こそ自己変革し、管理職として機能するべきときです。