〜 商工会改革を提案し新時代の商工会を開く 〜

商工会改造プロジェクトは、長野県宮田村商工会に勤務していた元経営指導員 湯沢健二がこれからの商工会のあるべき姿について意見発表を行い、全国の心有る同士諸君と議論する超前向きなページです
人材改造論
人材改革とその必要性
黒川の清流
黒川の清流
「人は石垣、人は城」という歌謡曲の一節がありますが、組織にとって人間が何より大切な資源です。整った組織を作り、豊かな財源を確保し、よい事業を計画しても、これに携わる人間がポンコツでは、よい商工会となるはずはありません。
  人材改革というと、まず職員のことが頭に浮かぶことと思われますが、会長はじめ役員も会員も同様です。むしろ、商工会に関わる全ての人間の意識を変えなければ改革は成就しません。
  この意識改革なくして「商工会改造プロジェクト」は成功しないといい切ってよいと思います。
  当商工会が平成13年3月に発表した独自のプラン、「宮田村商工会5つの改革プラン」でも、真っ先にこれをあげ、その重要性を説いています。

外部の血を入れ意識を目覚めさせる
村の経済を考える会
村の経済を考える会
従来の商工会は、若干の新規会員があるとしても概ねメンバーが固定しています。役員は、一人の方が部会役員から理事まで何10年も続けているというケースが多く、職員も(人事交流による異動があるとしても)全体としては長く勤めていて、顔ぶれに大きな変化がありません。そこで、つい馴れ合いになってこれまでどおりの事業、これまでどおりの仕事の進め方で済ませてしまう傾向があります。
  このような組織に刺激を与え活気付かせるには、外部の血を入れることがとても効果的です。当商工会が、大勢の学院講師、村おこしの助言者である高森町のKさん、村おこし実行委員会と考える会の一般のメンバー。このように、次々に会員外から商工会に引き入れているのにはこういう目的もあるのです。
  私のまわりには優秀でしかも人徳のある尊敬できる方がたくさんいます。紹介するときりがないので一人だけ。「考える会」副委員長のY女史。農業者でありながら、地域のために商工会の事業に参画。仕事を持ち、主婦でもあり、村のさまざまな活動にも参加する超多忙な中です。会議ではどこまでも優しくみなの意見を聞き、決めなければいけない段階になると絶妙のタイミングで、スケジュールと役割を割り振るなどリーダーシップをとる。世の中には強引に我を通そうとする人や他人事のように全部依存してしまう人が多いのに、威張らず、明るく優しく、求められればその力を出し惜しみしない。そして何より驚いたのはその行動力です。私などはまだまだ甘えていて勉強も覚悟も足りない。そんな自分に気づかせていただいたこと、感謝しています。彼女と仕事をさせていただくことで、私もまだ成長できるかな、なんて思います。仕事ができるだけでなく、人間的にも優れた人を集め、その刺激によって個々が成長する組織であるとよいと思います。

パソコンを使った時間管理
Outlook画面
Outlook画面
 商工会職員は幅広い仕事を同時にこなしていかなければいけません。上手に時間を使い仕事と頭の中を整理して、いくつもの仕事を並行して進めていくために私がやっている方法を発表します。
 8時30分から17時までの定時の時間は、30分刻みで分割すれば15のパーツに分けられます。30分ごと違う仕事をすれば1日に15種類の仕事を動かすことができるのです。もちろん長い時間が必要な仕事もありますが、1つの仕事で1日が終わらないように、意識的に大きな仕事の間にも別の仕事をはさんでいくのです。
 しかし、そう思っていても中々できないことですから、道具を使います。私のデスク上のパソコンは使っていないときでも、常にOutlookというソフトが立ち上がっていて、画面は予定表が表示されています。画像をご覧ください。今日の午後3時30分の状態です。朝から30分刻みにやった仕事を書き込んでいきます。ときには書くことがないときもありますが、それは目立った成果をあげられなかった30分ということになるので反省することになります。常に自分に結果を求め甘えを許さないのです。合せて、6時からの会議の予定が2本と、4時のところに今日中にやらなければと忘れないようにあらかじめ書き込んでおいた予定が入っています。スケジュール管理と結果管理を同時に行っているのです。
 一番上には出勤時間が分単位で書き込んであります。8時出勤をめざしていますが今日は遅くなりました。これを書き込むときに悔しいと感じます。明日は早く来ようと思うのです。分刻みなのは1分でも早くという思いを持つためです。この場所には退出時間も分刻みで書き込みます。セキュリティ上の管理と私の行動を明確にするためです。

パソコンを使った仕事管理
コメント:JR飯田線から南アルプスを望む
コメント:JR飯田線から南アルプスを望む
予定表の右側には仕事のリストが入っています。画像では隠れていますが右側に処理期限が書かれています。仕事は大まかな分類ではなく細分化して具体的な行動ごとに期限を決めます。例えば、一つの委員会を開催するためには、委員長との日程調整、通知の作成発送、資料作り、会場準備、委員長との会議進行打合せが必要です。これらを1件ずつ入力しておいて処理期限の順にこなし、終わった仕事はワンクリックで削除です。以前はA6版の紙に1件ずつの仕事と期限を書いて束にして持っていました。毎朝、今日の仕事を順番に並べ、一つの仕事が終わると、その紙をくずかごに捨てていました。1枚ずつ捨てるごとに紙の束が少なくなることが快感でした。今は、このやり方をデジタル化しているのです。
  このことによって机の上は革命的に片付き、山のような仕事が目に見えないので精神的にぐっと楽になりました。
  それからメールは5分刻みに受信するようになっています。この予定表の画面の左、下の画像では見えませんが、受信するとその件数か表示されます。出張や会議で席をはずしている場合を除いて、皆さんからのメールは10分後には読んでいます。問合せなどにはその日のうちに返信するよう心がけておりますし、簡単な質問には即座に返すようにしています。
  以前は、「急ぎじゃないものは明日でいいや」「あまり早く返信すると暇そうに思われる」などと考えていましたが、それは仕事を先延ばしする甘えだと思うようになりました。商工会がサービス業だとするなら、即返信するべきです。

資格について
Microsoft Office Specialist合格証
Microsoft Office Specialist合格証
 まず、私の持っている資格と取得の経過です。
  行政書士(S50)、日商簿記3級(S51)、宅地建物取引主任者、日商簿記2級(S53)、測量士補(S54)、小売商検定2級(S56)、珠算検定3級(S59)、小売商検定1級(S60)、能力開発機構ワープロ検定2級(H1)、事務専門士2級(H3)、P検3級、Microsoft Office Specialist(Word上級、一般、Excel一般)、初級シスアド,、(H13)、一般旅行業務取扱主任者、国内旅行業務取扱主任者、ITサポータ試験官資格、Microsoft Office Specialist(Excel上級)(H14)、P検インストラクター試験官資格(H16)CAD利用技術者試験2級、秘書検定2級(H17)
 たくさんありますが、趣味で資格を取り続けたのではなくて、その時々に必要なものに挑戦してきた結果です。特に注目していただきたいのはH13からH14、1年半の間に9つの資格をとっていることです。私は毎日9時まで仕事をするのが普通だし、土日もたいてい出勤しますから、十分な勉強時間はとれませんよね。その中でもこんなにたくさん合格することもできるのですから、時間がないからできないというのは言い訳に過ぎないことがお分かりでしょう。一番大切なものは集中力。2番目は合理的な学習方法です。
 職員の資質向上には資格取得は有効な手段だと考えています。手段ですよ。目的ではありません。資格をとったら良い仕事ができるというわけではないのです。
 「資格なんかとってもしょうがない」という方がいらっしゃいますがこれも違います。事業者の皆さんから「難しい試験に合格するほどの勉強をしてきたのだな」ということを認めてもらうこと。その信用の上に立って支援をすることは重要なことです。また、職員のモチベーションを高め、目標を設定してあげるためにも有効なことといえます。